げんきっこコラム『鼻をかむことの大切さと正しい鼻のかみ方』
こんにちは。看護師の松田です。
私は今年の1月からさくらっこ保育園で働き始めました!
これからどうぞよろしくお願いします。
保育園で働く前は、耳鼻咽喉科で働いていました。
そのときに学んだこと、経験したことをふまえて、耳鼻咽喉科にまつわる情報をお伝えしたいと思います。
耳鼻科で働いていた時に気付いたことです。
鼻をかめない、
鼻すすりをする、
正しい鼻のかみ方を知らない、
という子どもさんが多くいらっしゃいました。
また、
家庭で鼻のかみ方を教えなくても、自然に出来るようになると思っている親御さんも少なくありませんでした。
そこで、今回は看護師の視点から、
『鼻をかむことの大切さと正しい鼻のかみ方』
についてお話します。
鼻のかみ方を覚えるのは個人差もありますが、
早ければ1歳半~2歳くらいから真似ができ、3歳くらいから言われていることが理解できて鼻がかめるようになっていきます。
そもそも鼻水は、
鼻から入ったウイルスや細菌、ほこりや花粉などの異物を外に流し出すものなので、人体にとって必要な仕組みであり、出ることは悪くありません。
ただし、鼻の中に鼻水をためたままにしておくと、鼻づまりだけではなく、鼻炎や副鼻腔炎、中耳炎、痰や咳などを悪化させる原因になります。
鼻水は正しくかんで外に出してあげましょう。
みなさんは正しい鼻のかみ方を知っていますか?
大人なので鼻はかめますが、「正しい」と言われると意外と知られていないかもしれません。
お子さんに教えられるように覚えておきましょう。
●正しい鼻のかみ方
- 片方ずつ鼻をかむ
- 口から息を吸ってから鼻をかむ
- ゆっくり少しずつかむ
- 強くかみすぎない
子どもに鼻のかみ方を教えるのはとても難しいです。
鼻をかむのに大切なことは、鼻から息を出すことです。
「鼻から息が出た」という感覚を覚えることが、鼻をかむことが上手になる第一歩です。
最初は大人のまねっこで大丈夫です。まずは、大人がお手本をみせてあげましょう。
次に、片方の鼻を押さえてゆっくり少しずつかむことを教えてあげましょう。
慣れるまでは、大人が片方の鼻の穴を押さえてあげてくださいね。
「鼻水出たね。きれいになったね。」と声をかけ、きれいになった喜びをくり返し伝えていきましょう。
“口から息を吸ってから鼻をかむ”ことは、子どもには難しいかもしれません。
少しずつゆっくりでかまいませんので、お子さんに合わせてくり返し伝えていきましょう。
お風呂に入りながらの練習がおすすめです。
鼻が通ってくると、夜にぐずることが減り、よく眠れることが期待できます。
●知っておきたい
鼻をかむときにやってはダメなこと!!
×両方の鼻を一緒にかむ
×力まかせにかむ
⇒一気に力をいれて鼻をかむことで、鼻の中の圧力が非常に高くなります。
鼻の奥と中耳は耳管でつながっているので、圧力が耳に伝わって耳が痛くなったり、鼓膜が破れる恐れがあります。
また、鼻血が出たりします。
×鼻をすする
×中途半端にかむ
⇒子供の場合、耳管が短く、太く、水平に近い構造なので、
鼻水がウイルスや細菌を送り込むことで中耳炎を起こしたり治りにくくなる原因になります。
また、奥に残った鼻水がのどに流れると、痰がからみ咳を引き起こします。
×鼻をほじる
⇒鼻血が出たり、傷から細菌感染を起こしたりします。
●赤ちゃんの鼻水の場合
自分で鼻をかむのが難しい赤ちゃんの場合について説明します。
- 温かいタオルで鼻を拭く
赤ちゃんは主に鼻で呼吸を行っているため、口での呼吸はうまくできません。
温かいタオルで鼻を拭くだけでも楽になりますよ。
- 鼻吸い器を使用する
市販の鼻吸い器を使用して鼻水を吸ってあげましょう。
お風呂上がりなど身体が温まった後は鼻水が柔らかくなるので吸いやすくなります。
あまり奥まで吸おうとすると粘膜を傷つけてしまうので、入り口の鼻水を取り除いてあげるだけでもかまいません。
鼻吸い器はいろんな種類があるので、使いやすいものをさがしてみてください。
鼻をかんでも上手に出せないときや、鼻吸い器でも吸いきれなくて苦しそうにしているときなどは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
鼻のかみ方や注意点について、いかがだったでしょうか。
鼻のかみ方についてはあまり考えたことがない方も多いと思うので、意外と知らないこともあったかもしれませんね!
鼻かみは、生まれつき身についていることではなく、くり返し伝えて
やっていくことで獲得する習慣です。
ご家庭で鼻かみをするとき、ぜひこの記事を思い出してみてください!
参考・引用文献
森山寛 耳鼻咽喉科看護の知識と実際 メディカ出版
正しい鼻のかみ方 (kyorin-medicalbridge.jp)