げんきっこコラム「救命の連鎖と一次救命処置」
こんにちは、げんきっこ看護師児玉です。
先月、6/10(土)さくらこども園と合同で、救命処置の研修を受けてきました。
東根市の消防士さん2名に来ていただき、3時間の研修をしていただきました。
心肺蘇生やAEDのことは、自動車免許を取るときに自動車学校などでも学ぶので、みなさんどこかで練習したことがあるかもしれません。
今回私たちも、講義を聞いたり、実際に子どもや大人のモデルで心肺蘇生やAEDの使い方、異物除去の方法を練習してきました!
1度聞いたことがある、やったことがある…というだけでなく、とっさの時に行動できるためには、繰り返し練習したりイメージトレーニングしたりすることが大切だなと感じました。
みなさんは「もう知っているよ!」という内容もあると思いますが、いざとなった時に知っておいていただきたいことについて、お伝えしようと思います。
「救命の連鎖」という言葉は聞いたことがありますか?
救命の連鎖は4つの輪で出来ていて、そのうち①~③は救急隊への引き継ぎまでに市民が行うことが期待されています。
①心停止を予防すること ②心停止の早期認識と通報 ③一次救命処置(心肺蘇生とAED) ④二次救命処置と集中治療 |
1つずつ内容を説明していきます。
①心停止を予防すること
大人は心筋梗塞や、脳卒中などによる心停止の場合もあります。
子どもで多いのは、事故やけがによるものが多いので、日頃から予防していくことが大切です。
②心停止の早期認識と通報
人が倒れている!と気付いたら、どうしますか?
まずは「心停止しているかも!」と疑うことが大事です。
肩を叩いて声をかけ、(赤ちゃんの場合は、足の裏を叩いてもいいです。)反応がなければ、周りの人に応援を頼みましょう。
119番通報と、AEDを依頼します。
※さくらっこ保育園のAEDは、玄関下足箱の上に置いてあります。
③一次救命処置(心肺蘇生とAED)
心肺蘇生とは、胸骨圧迫と人工呼吸の2つのことを言います。
人工呼吸は抵抗がある場合は行わなくて良いので、胸骨圧迫をひたすら救急隊の到着まで続けます!!
ちなみに、今は「心臓マッサージ」という言い方はしなくなったそうです。
心臓を直接マッサージするのではなく、胸骨(鎖骨の下からみぞおちの上まで、胸の中央に縦に走っている骨です)を圧迫することで、心臓の動きを促すので「胸骨圧迫」というそうです。
名前は変わってもやり方自体は変わらないので、安心してくださいね。
そして…
呼吸を確認して、普段通りの呼吸がなければ胸骨圧迫をすぐ始めます!
ここでのポイントは2つあります。
(1)「普段通りの呼吸」はお腹を見て確認するのが大事です!
倒れている人は、魚のように口をぱくぱくしていることがあり、口が動いていると呼吸をしているのかも?と勘違いしてしまうことがあるようです。
口が動いていても、それは反射のような動きで、酸素を取り込むことは出来ていません。
その場合も、呼吸をしていないとみなして、心肺蘇生を行いましょう。
(2)一番大切なのは胸骨圧迫を「強く・速く・絶え間なく」続けることです!
胸骨圧迫は1~2分続けるだけでも、結構疲れます。救急車が来るまで、1人で続けるのは大変です。
人が代わる時は、その間を10秒以内にして、なるべく中断することのないように、周りの人と協力しながら行うのが大切です。
もし、胸骨圧迫をしている場に立ち会ったら「次、代わります!」と積極的に交代できるといいですね。
胸骨圧迫は、アンパンマンのマーチ♪の速さで、1/3沈み込むくらいが目安です。
AEDは到着したら、機械の音声の指示に従いましょう。
もちろんAEDはあれば使うのが理想ですが、一人の場合は胸骨圧迫を優先してください。
また、少人数の場合でAEDを取りに行くのが大変なときは、戻って胸骨圧迫の交代要員になった方がいいとのことでした。
④二次救命処置と集中治療
ここからは救急隊に引き継いでから行われる処置です。
薬剤や医療機器を使う処置になります。
この4つの輪が繋がることで、社会復帰率が高くなると言われています。
こちらはドリンカーの生命曲線と呼ばれるグラフです。(引用:前橋赤十字病院救命救急センター)
呼吸停止から10分間、何もしないと蘇生のチャンスは0%になってしまいます。
すぐ対応することが、いかに大事かわかりますね。
命が助かることも大切ですが、なるべく元通りのレベルの生活に戻れるようにするためにも、「救命の連鎖」が大切になります。
もし人が倒れているところに遭遇したら、正しい対応でなくてもいいのでとっさの行動がとれるといいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!